February 24, 2010
ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書 400 冊
今、何を読むべきか?どう考えるべきか?「知の巨人」立花隆と「知の怪物」佐藤優が空前絶後のブックリストを作り上げた。自分の書棚から百冊ずつ、本屋さんの文庫・新書の棚から百冊ずつ。古典の読み方、仕事術から、インテリジェンスの技法、戦争論まで、21世紀の知性の磨き方を徹底指南する。ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書 400 冊 立花隆・佐藤優 著
放送大学の授業を受けるようになり、本を読む時間が明らかに減った。
そうなると、かえって本が読みたくなるのが人間である。
1 月末に試験が終わり、復習を兼ねたブログへの授業メモも書き終えて、4 月の新学期まで読書の時間が取れるようになった。それで、
さて、本を読もう。
と思ったわけだが、情けないことに読みたい本が全く頭に浮かんでこなかった。
というのは、放送大学には色々な授業があり、経営系、心理系、科学系、宗教系など今まで読んできた分野については、そこらの本をチョコチョコと読むよりも、授業で体系的な知識を身に付けてからにしたほうが良さそうだと思ったからだ。
それで選んだのがこの本だった。
立花隆、佐藤優という一癖ある超読書家が、それぞれ 200 冊の「必読の教養書」を紹介しながら次々と面白い話をするというもので、「聖書」から「花と蛇」(団鬼六)まで実に多彩な本が紹介されている。
しかし、実際に目を通してみると、少なくとも私にとってはあまり実用的な本ではなかった。
私ごとき人間にはいささかレベルが高すぎるのである。
具体的に言えば、紹介されている 400 冊のうち、私が既に読んでいた本は 20 冊ほどしかなかった。また、題名を知っている本にしても半数位にしかならなかった。
正直に言えば、私の教養不足があるにしても、それにしても難しいリストだなという印象だった。
(実際、立花氏、佐藤氏とも、相手が紹介した本の中に読んでいない本が結構あったようだった)
それでも、この本を有益で面白いと思えたのは、各本にまつわる、二人の世の中の通説を鼻で笑うような裏話的エピソードの数々だった。
立花隆の大東亜戦争、昭和史(特に政治と左翼運動)、アメリカに関する話、佐藤優の諜報、永田町と霞ヶ関の裏側(特に鈴木宗男)、ロシアに関する話、はそれぞれ思わず引き込まれるほど面白い。
本選びという事を抜いても、読むに値する面白い本だと思う。
、、、と言いつつ、当初の目的どおり、紹介されていた本の中から幾つか選んで読み始めている。
「すばらしい新世界」
「スパイのためのハンドブック」
「入門! 論理学」
「ハリウッド 100年 史講義 -夢の工場から夢の王国へ」
立花 いつから戦争はリアリティーを失ったのか。「機関銃の歴史」は示唆に富んでいます。目の前で敵を殺すという実感があった戦争から、そういう実感を失った戦争に移る境目になったのは、機関銃の登場なんですね。
立花 戦前には日本人にもナチスゆずりのゲオポリティクスがあって、戦前の日本の地理学は、ゲオポリティクスそのものだった。しかし、戦後占領軍がゲオポリティクスは戦争の理論としてすべて禁止してしまった。地理学を学校で教えることをしばらく全面禁止していた。その後学校で教えることを許されたのは、地理学からゲオポイティクスの要素を一切取り去った地理学、すなわち、「人文地理学」でしかなかった。こうして、日本人の頭の中からゲオポリティクスが一切消し去られてしまった珍しい国民となってしまった。ゲオポリティカルに世界を見ることができないから、日本人は独自の世界戦略を立てることができない。
日本人に欠けている最大の教養アイテムはゲオポリティクスだと思います。
立花 鈴木宗男議員との関係において、佐藤さんも、ある時期、政治のプレイヤーを演じました。
佐藤 いや、プレイヤーというような大きな役割ではありません。小判鮫のようなものでした。突き放して見ると、鈴木さんは、権力を金に換えるというメカニズムを明らかに持っていた。だから、叩きつぶされた。ただ、田中角栄さんとのちがいは、蓄財に関心がなかったことです。それからまた、佐藤昭のような女性パートナーもいなかった。奥さんとか、娘とかの顔を非常に気にする、田中さんとはちょっとちがうタイプなんです。しかし、権力を金に換えるという意味では、田中角栄型の政治家であったわけです。
もう一つ、鈴木さんが田中角栄型だといえる部分は外交です。田中さんの対中外交も、対ソ外交も、密室外交でした。外務省ときちんとした話をした上で進めるのではなく、独自の連絡員を使って、向こう側との連絡を取っていました。そういう部分を、鈴木さんは継承していた。
立花 つまり佐藤さんを利用した。
佐藤 正確に言うと、外務省が私を鈴木さんに差し出したのです。鈴木さんが独自に民間のロビイストを運営するよりも、私にその役割をさせた方が外務省の省益にかなうと考えたのでしょう。いずれにせよ私が外務省の人間だったからよかったわけです。もしこれが別の、とんでもない何かの思惑を持った人間を使ったら、どういうふうに流れたかわからない。検察は、そういう危険性がある密室外交を終らせようとしたんでしょう。
立花 田中型の金権政治、田中型の外交を、検察は鈴木宗男で終らせようとした、と。
佐藤 そう思います。しかし、その DNA は、小沢一郎さんに生きているわけです。ある意味で、小沢一郎さんというのは最期の田中角栄現象なんですよ。この先、田中角栄的なる政治を継承できる人はいないでしょう。だから、田中角栄的なるものに対して弔辞を読むという歴史的な役割を彼は与えられている。もし小沢さんがその弔辞を読むことに躊躇すれば、彼は叩きつぶされて終わり。誰によって叩きつぶされるかといったら、検察ではない。国民によって叩きつぶされる。
(大須賀注:この本は昨年 10 月に出版されている)
立花 NASA の宇宙探査機が、精密に観測することでビックバン理論が検証されました。この観測では、さらに面白いこともわかった。それは、光を発する物質、つまり我々がこれまで観測によって知っていた物質は、全宇宙のたった四パーセントでしかなかったということです。
佐藤 そうすると残りの九六パーセントは何なのですか?
立花 残り二十数パーセントがダークマターといわれている、どこにあるのかよくわからないけれども、その存在自体はわかっている物質。残り七十数パーセントは、宇宙の膨張速度からそういうものがエネルギー的に存在しなければならないと存在が理論的に要請されるけど、その存在形態がわからない、つまり物質であるかどうかもわからないのでダークエネルギーとしかいいようのないものです。二十一世紀の冒頭に宇宙に関して何がわかったかというと、我々はこの宇宙についてある程度わかったつもりになっていたけれど、実はまったく何もわかってなかった、ということなんです(笑)。