March 05, 2010

Alfa Romeo 2uettottanta Concept by Pininfarina

pininfarina-24b
ジュネーブ・モーターショーが始まっているが、そこでグッとくるモデルを見つけた。
ピニンファリーナが次期アルファ・スパイダーを想定して作った Alfa Romeo 2uettottanta Concept だ。

ピニンファリーナは、1930 年代からイタリアの高級車(フェラーリ、マセラティ、アルファ・ロメオ、ランチア)を中心に、貴族的に美しいスタイリングを次々に生み出してきた、イタリアの名門デザイン工房である。

私は、10 代の頃からピニンファリーナがデザインした車たち、シンプルで抑制の効いた造形と磨き込まれた面とラインが際立つエレガントなテイストの車たちに、心の底から憧れていた。
自動車デザインの学校でのスケッチ実習では、いつもピニンファリーナの車の絵を描いていたし、プロのデザイナーとして仕事をしていた時もピニンファリーナ的なシンプルで美しいデザインを心がけていた。
ピクチャ 3
そして、30 代の始めにピニンファリーナ・デザインのアルファ・スパイダー(右)を手に入れた。
今考えると、これが私の車人生の頂点だった。
皮肉な話だが、憧れの車を手に入れてしまったばかりに、そこから私の車に対する関心は薄くなっていった。(そして、35 歳で自動車業界から足を洗った)

それくらい、ピニンファリーナのデザインが好きだったのだ。



そして偶然が起きる。そんな感じで私がアルファ・スパイダーを手に入れながら虚無感に陥り始めた 2000 年前後、ピニンファリーナのデザイン・テイストが、私の好みから外れる方向に大きく変わり始めたのだ。
ピクチャ 2
デザインディレクターに日本人の奥山清行氏を起用し、それまでの貴族的なデザインから、饒舌でダイナミックで分かりやすいデザインに変わっていったのだ。(右はその典型、分かりやすい凄さの Enzo Ferrari)

この変化は、たぶん市場に対応するための経営判断だったと思う。
ピニンファリーナがデザインする車は主に高級車だ。つまり最終の顧客はお金持ちだ。
1990 年後半から、IT や金融や新興国の発展で新たな富豪が沢山生まれた。
彼らは、一般的に言って、豪華なモノ、分かりやすいモノ、誰に見せても「凄い」と思われるようなモノを好む。(と言って良いと思う)
奥山デザインは、この市場の状況にマッチしていたと思うのだ。

しかし、私個人にとっては、これは残念な変化だった。
こうして、車への関心が薄まった事と合わせ、私のピニンファリーナへの信仰は薄らいでいったのであった。


そして、この 2uettottanta である。
これだ。これこそ私が憧れていたピニンファリーナのデザインだ。 
リーマン・ショックの影響なのか分からないが、かつての品の良い、エレガントなデザインが戻ってきたのである。

車に夢を持っていた若かりし頃のことを思い出した。

pininfarina-18
フェンダー、ボンネット、フロントエンド・リヤエンドの造形から、モチーフはジュリア・クーペと思われる。

1010241824_5710277ae2
ジュリア・クーペ。私は大好きだ。(デザインは G.ジウジアーロ)

pininfarina-1

pininfarina-3
空力性能を意識しながら、品の良さを失わない見事な処理。

pininfarina-19
名作 Pininfarina MYTHOS を思い出すシンプルで彫刻的なサイドの造形。

ferrarimythos
走る彫刻、Pininfarina MYTHOS 。

pininfarina-15 1
久しぶりにディスプレイモニターのないコクピットデザインを見た。その心意気。
ステアリング・ホイールのデザインもエレガントだ。

pininfarina-4
神は細部に宿る。

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
   
Profile
大須賀敏光   おおすが としみつ

1968 年生まれ 東京都江戸川区在住
会社員(組織づくり・経営企画)
放送大学 学生(認知科学)
トライアスリート
Search
Library
Recent Trackback
チェブラーシカ (クリエーター達の独り言)
チェブラーシカ 
2007のベスト (セガール気分で逢いましょう)
映画鑑賞記録 2007 年下半期
エビデンス (いま人気のコトバとは?)
空気と戦争
ストリングス (いま話題の検索語とは?)
ストリングス 
ストリングス (いま話題のエンターテイメントとは?)
ストリングス 
トイレ掃除で大開運できます (風水日記−金運・幸運・大開運)
父の病状( 3 ヶ月目)
日本人の死因 (This is my learning)
日本人の死因
ke-tai Site
QRコード